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SSTの和語変更について

SSTの和語が変わりました。以前は社会生活技能訓練となっていましたが、“社会生活スキルトレーニング”となりました。

訓練という言葉の意味には訓練を受ける側の言葉ではなく、させる側の言葉のようです。

避難訓練のように“他の人にやらせること”という意味です。

和語の変更としては当然の流れで、とても良い変更だと思います。

私はSSTの講義の時は訓練という言葉よりも、練習や実験という言葉を使っています。『訓練しましょう』より『練習しましょう』の方が言いやすいですよね。

似たような話で、コンプライアンスとアドヒアランスという言葉があります。

コンプライアンスは一般企業でも用いられる言葉で、“法令遵守”という意味があります。

医療業界でコンプライアンスというと“服薬遵守”という意味で使われます。

簡単に言うと処方通りに薬を飲むことができるのかということです。

例えば『コンプライアンスが不良』となると、この患者さんは薬を決められた時間や量を飲むことが難しいのかなという評価をします。

一方、医師の指示どおり忠実に服薬するのではなく、患者さん自身が自分の治療に積極的に関わり、自分が責任をもって服薬を遵守するという態度をアドヒアランスといいます。

この場合、医師から薬の効果や副作用の説明を十分うけたうえで薬の内容を決定し、服薬するわけですから、勝手な服薬中断や不規則な服用は少なくなります。

実際、急性期から回復期に入ってからは、医師主導によるコンプライアンスから患者さん主体のアドヒアランスに切り替えることが良いとされています。

さて余談が長くなりましたが、トレーニングという言葉が早くに浸透し、たくさんのSSTがどこでもだれでも実践できるといいですね。