学会

【参加レポート】第53回「日本作業療法学会」~作業療法研究のターニングポイント~

2019年9月6日~8日で福岡で開催された第53回「日本作業療法学会」へ参加した際のレポートです。

開催概要

学会名

第53回日本作業療法学会

テーマ

作業療法研究のターニングポイント

会期

2019年9月6日(金)~8日(日)

会場

福岡国際会議場
福岡サンパレスホテル&ホール

主催

一般社団法人 日本作業療法士協会

学会長

東登志夫氏※長崎大学 生命医科学域(保健学系)

会場の様子


福岡国際会議場


博多織をモチーフにしたデザインの学会ポスターが会員達をお出迎え


会場内にある書籍販売ブース

大会長の公演は立ち見も出るほど

ポスター発表

テーマ

リワークプログラムの効果

背景

東京リワークセンター(以下、当センター)は2012年4月にリワークデイケアを開設。当センターのプログラムの特徴は仕事を模したグループワークと強度の高い運動を主体としていることである。その中で他メンバーやスタッフのフィードバックなど、体験的に自身の認知や行動の修正を行う。今回、そのプログラム効果測定として、リワークプログラム修了者(2019年1月現在)の復職継続率調査したので報告する。尚、本報告の倫理的配慮として、書面及び口頭にて、発表内容を説明し、同意書に署名を得た。

目的

当センターにおけるリハビリテーションの効果測定

ポスター発表の様子


ポスター展示ブースはどの分野もスペースが狭く感じるほど参加者が多く、質疑応答も活発でした。

精神障害は91演題。

日々の実践で実際に使用しているものやメンバーが記載した資料を見せながらの説明。

佐藤からの質問の様子


ポスター会場で「不眠を克服して復職したい」アルコール依存症患者に対する不眠の認知行動の実践に対して質問。


復職支援に対する認知機能リハビリテーション「J-CORES」の効果の発表に対して質問。

Q1:当センターではボードゲームを用いて認知機能リハビリを実施しています。J-CORESならではの特殊性について教えてください。

A:仕事に結びつくゲームが組み込まれているため職業生活とのブリッチングがしやすい。また、費用が安い。

Q2:J-CORESと似ているゲームは?

A:コンビニ経営シュミレーションゲームやブロック崩しなどの遂行機能系働きかけるゲームが似ていると思います。

佐藤から

全体を通して感じたこと

まず、 実感ベースですが復職支援の取り組みが多くなってきてるなと感じました。社会ニーズが上がってきているんでしょうね。

五大疾病に精神疾患が指定され、その筆頭になり、経済的損失も大きいと思いますので、これは良い変化かなと思います。

精神科全体的なところで言うと、各々がいろんな治療技法を持ち始めているなと思いました。自分の得意なスキルを使用して高めようという感じですかね。

というのも今までは患者さんと関わっていく中で、状態が良くなったという抽象的な概念を数値化していたとして。今回含め、最近ではこうやったら、こういう風になるという仮説を立てられている技法を提供しているのですごく、学会として聞きやすかったと思います。

前から学会とはこういうものだよと、ツッコミをもらいそうですが(笑)。しかし、精神科に関わっているさまざまな人がいて、「自分の専門はこれです」というOTが増えてきたような気がします。

私も改めて頑張ろうと思いました。

復職支援ポスター発表について

復職を支援するっていう観点で見ると、ちょっと足りないかなという感じがしました。もちろん自戒も込めて。

本当にこれで患者さんは社会でやっていけるのか? という疑問がふつふつと生まれました。もちろん、患者さんを良くしたいという気持ちは伝わってきました。保護的、福祉的な印象が強いですかね。

復職支援は、一般社会のレベルにフィットする人を送り出すのが実はスタートで1~2年間の就労継続が1つのゴールになるかと思います。ですのでOT側が一般社会のことを知らないとダメだと思います。

今後も学会などでたくさんの方と意見を交わし、よりよい復職支援ができればと考えています。

スペシャルサンクス

photo by Miku Futada