2019年8月29日(月)
佐藤が茨城県特別支援学校教育研究会研修会の講師として出張研修をしてきました。今回はその時の様子をお届けします。
目次
研修概要
研修名
茨城県特別支援学校教育研究会研修会
主催
茨城県特別支援学校教育研究会
日時
2019年8月26日(月)
場所
茨城県立水戸飯富特別支援学校
参加人数
102名
参加学校名
茨城県立水戸飯富特別支援学校
茨城県立水戸聾学校
県立常陸太田特別支援学校
県立北茨城特別支援学校
県立水戸特別支援学校
県立水戸高等学校
県立友部東特別支援学校
県立勝田特別支援学校
県立土浦特別支援学校
県立石岡特別支援学校
県立美浦特別支援学校
県立伊奈特別支援学校
県立つくば特別支援学校
県立協和特別支援学校
県立境特別支援学校
15校
講師
佐藤俊之
演題
コミュニケーショントレーニングのコツ ~SSTの視点から~
研修レポート
開催場所
講師として佐藤にお声がかかり、お伺いした場所は茨城県立水戸飯富特別支援学校。当日は晴天に恵まれました。
講義
当日参加された方は全て茨城県特別支援学校教育研究会に所属する「教員」の方々。総勢100名以上が参加した大規模なものとなりました。開催場所である茨城県立水戸飯富特別支援学校をはじめ、茨城県から特別支援学校の学校が参加されました。
まずは講義から。テキストを中心にSSTとは? からはじまり、SSTの基礎的な理論を学びます。
実技演習
認知機能障害について
講義の次はいよいよ実習。SSTのターゲット、認知機能障がいについて。2人一組で「ジャンケン」をしてその反応から推察するといったウォーミングアップも兼ねていました。
ステップバイステップ方式のSSTデモンストレーション
次の演習はSSTのデモンストレーション。ステップバイステップ方式で佐藤がリーダー役で「頼みごとをする」というスキルを体験していただきました
そして同じスキルを二人一組になり、全員でSSTを体感。初めての体験がほとんどで会場は大盛り上がりでした。
個別SST
ラストは個別SST。佐藤が訪問の作業療法士役で、アームズの人間が患者さん役で実践して演習を終えました。
質疑応答
参加者の方からいただいた質問と佐藤の返答を一部紹介します。
質問1
Q:今日受けた研修で、我々特別支援学校で働く教員もSSTの重要さに気付いたと思います。そこでSSTを体系的に学べる研修などはありますか?
A:SST初級10時間研修というしっかり学べるリーダー研修がオススメです。私もそうですが、SSTの認定講師が普及協会のガイドラインに沿って実施していまう。受講者は多岐に渡り、医療関係者はもちろん、最近ではハローワーク、就労支援職員、教職員などの参加も目立っており、SSTの必要性を実感しています。
質問2
Q:子供は経験不足だったり、家庭環境によって認知機能が阻害されていきますよね。また、認知機能が正常な子供の場合は様々な施設などでの活動の経験によりコミュニケーションは身に付いていくのでしょうか?
A:経験でしっかり身に付くと思います。しかし、大事なのはトラブルが起きた時、もしくは起きそうなときにしっかり介入できるかどうか。そして、介入できるスキルがこちら側(支援者)にあるのかどうか。SSTでコミュニケーションを練習するのもひとつの方法です。経験をさせて失敗することで、そこからの学びを得られるような介入が必要だと思います。
質問3
Q:受信、処理、送信の何かがうまくできない場合はどうしたらよいでしょうか?
A:様々な状況があると思いますが、ひとつの例として私は以前、とにかく正のフィードバックをかけ続けました。SSTに参加のみでフィードバック。対象者が話すとフィートバック。そうすると、話しても大丈夫なんだって思ってくれるようになることがあります。いずれ、楽しいとかやりたいことができたり、発言できたりできればいいなと思っています。まずは褒める。そのことで周りもSSTに参加することでコミュニケーションが身に付くんだってと感じる。SSTというひとつの文化が定着したりします。
佐藤から
今回の研修は1時間30分というすごい短い時間で。いわゆるSST初級10時間研修の圧縮版で、最初はどうなるかなと思っていました。しかし、参加者の皆さんのモチベーションが高く、とても研修しやすい印象でした。本音を言うと、もう30分あればもっと、参加者の皆さん居寄り添った深い解説ができたと感じたほどです。
質疑応答でもありましたが、特別支援学校の教員の方達は本当に勉強熱心でSSTを独学で勉強されていたのに驚きました。そのほとんどが本でしたのでまずは初級研修を受けていただくともっと理解が深まり、コミュニケーションスキルのひとつとして役立つと思います。私も全く手つかずの分野でしたが、何かお手伝いさせていただければ嬉しいです。
最後に特別支援学校での講習は初めてでしたが、先生達の「熱意」が大変伝わってきました。私の方が元気をもらい、さらに精進したいと心新たに思いました。お声をかけていただいた茨城県立水戸飯富特別支援学校の皆様、ありがとうございます。